今回はＵさんのワンピースをご紹介します。
Ｕさんは洋裁歴が長く、これまでも多くの力作を手掛けてきましたが、今回も力作となっております。
生地(素材)とテクニック(デザイン)に分けて
ご紹介します。
まず、素材ですが、スカート部分になる柄は、白生地を自分で染めたものだそうです。
染料の浸透具合によって濃淡が異なるので
どこにどの様に使用するか、当初悩んでいました。
一見、和紙に見える柄なので、全体に使うのは避けたいという狙いがあった様です。
その結果、見頃には染色の茶色ではなくグレー生地の無地を持ってきて、和紙柄の染色生地は
スカート部分に使いました。
そして、その境目には、ベルトがわりになる様、ネイビー色を使用しています。
このネイビーが、グレーと茶色をうまく結びつけるポイント色となっていて効果的です。
次にテクニックです。
画像では分かりにくいですが、前身頃の中心に飾りのピンタックが入っています。
よく見ないとわからない奥ゆかしさは、「日本のワビ・サビ」とも通じるかも・・・・です
袖の形にもこだわりがあった様です。
ノースリーブにするか、フレンチスリーブにするか迷った末に、キャップスリーブに落ち着きました。キャップスリーブと言えばプリティなイメージがあるので心配でしたが、うまくバランスがとれていると思います。
縫い方も袖下部分がややこしいのですが、きれいに仕上がっています。
このワンピースは、「渋い中にもパンチの効いた１着」になっているのではないでしょうか。
ものづくり は イメージづくり が とても
とても大事な要素です。
何かの役に立てたらうれしいです。
